エンタメは愛だ!

感想書く日記的なブログのつもりです

GレコIV見てて思ったこと

先日GレコIVを見てきました。

大変内容に手が加えられており、TVシリーズから大きく印象が変わる作りとなっておりました。

感想に関しては折角なのでVまで見てからまとめるとしまして、今回はちょっと思った事をネタバレはほぼなしで書いてみたいと思います。

 

僕自身富野監督は信者の類なくらい好きなのですが、Gレコは中々に取っ付きにくい作品だったと思っており、手放しに好きだと言えなかったのが正直な所です。ただ劇場版1〜3において手を加えられた事(何より繰り返して見たこと)によってかなり、整理され、以前より期待していたところでした。

結構期待値の上がった中での今回の4鑑賞だったわけです。が、TV版の時に戻ったなという印象でした。

それが何故かも纏まってきたので、今回はその引っ掛かりをまとめておこうかなと思います。

 

1:ジット団に関して

今回の4の前半、このジット団が出てきた事でTV版を見ていた時の頭にハテナが浮かぶ感じが再燃しました。そこで思ったのがGレコ混乱の最大の要因はこいつらだなと。

∀ガンダムにおいてラスボスであり後半の敵勢力としてギンガナム艦隊が居ます。こいつらも言い方悪いですがポッと出の勢力ですが、理由は単純であり、戦闘要因だから闘うのだ、とういう一言で済みます。キャラも濃いですしラスボスとして存在感を遺憾なく発揮して話を掻き回します。そして何より話の主軸はディアナ様であり、ディアナ様の行動がストーリーを引っ張ってました。

ところが今回のGレコのジット団はギンガナム艦隊の様なポッと出の後半の主要団体でありながら、非常に複雑で重要なポジションとなっております。

まずベルリ達海賊が地球に急いで帰らなければならい理由になる事です。ジット団がレコンギスタで地球圏に戻り始める為、後を追ってベルリ達も帰るのです。つまり物語そのものを加速させる要因をジット団が担っているわけです。しかしそんな大事な団体が2、3話しか出てない状態で動き始めてしまいます。レコンギスタの動機や各人の思い、それに対する主人公の思いが十分描写される尺があったとは思いません。そして今回の劇場版においてもここの補強はほぼありませんでした。このポイントは後半、ラストに至る上で重要だと思います。ここの描写不足は視聴者が脱落しても致し方ないと思われ、逆にここの補強ができるだけで読解が非常に進む、かなり惜しいポイントだと思いました。

 

2:登場人物が説教している事が未来の事

Gレコが受け付けにくい最大の要因がこれでは無いかと思うのです。まず基本説教臭いセリフが多い。それは作中キャラ同士の言い合いが、問題点を指摘しあっているようなものが多い印象です。それだけならまだいいのですが、内容がエネルギー問題やら地球を捨てる捨てないやら、現代からかなり未来の話なのです。これに関してはずっと富野監督がインタビューで「未来を作る次の世代への種蒔き」だと言い続けていますので批判というよりただの事実確認なのですが、お話としては非常に見辛いのです。確かに設定好きな人もおりますが、基本視聴者は物語、特に人間の感情の遷移を見ますから、地球環境や技術の使い方の、謂わばイデオロギーの対立のみで映像作品を見続けてもらうにはかなり忍耐を要する気がします。特に今回ベルリの感情が飛び飛びに見える(落ち込む時と元気な時の中間の感情の描写が少ない)ので、視聴者が安心して追える感情の持ち主が主人公ではないのです。なんならいない可能性もある。人殺して追い詰められてたのに、次のカットで最大限明るく振る舞ってるのが、ノイズになるレベルで差が激しいと感じました。これはかなり視聴の難易度が高いのではと思っています。話題にしている問題がもう少し直近の、5年10年くらいの問題ならこの構成でもいい気がしますが、SFガジェットを自分なりに噛み砕いて理解し、その問題点を把握してから物語を見ないといけないのは、「面白くない」で片付けられてしまうのも無理はないのかもしれません。

 

 

以上がGレコIVを見て感じた事でした。次作で完結ではあるので、そこでどういう印象になるかが1番楽しみにしているところです。個人的には面白いポイントが見つけられたので、TV版とは違った感想が5部作通して感じられたら嬉しいなと期待して、ラストを劇場に見に行こうと思います。